Dear Mom,

思い返せばこれといった反抗期はなく、日常生活でも些細な事で礼は言えるけど、一人暮ら しを始めて、そしてトライアスロンを初めてこれといった感謝は伝えられてなかったね。 まず父へ

100 キロマラソンと日本学生デュアスロン選手権のサポートありがとう。この 2 大会は自 分がトライアスロンを初めて現時点で一番心に残っている大会です。そして大切にしたい、 忘れたくない大会です。100 キロマラソンでは「しっかりアップしとけよ。」という言葉を よそに 8 時間台で戻ってくるかもよ、と調子に乗って、4 時間以上もカメラ片手にゴール前 で待たしたことを本当に申し訳なく思っています。ゴールした時は完走の喜びなんかより あなたがそこにいることの安堵で泣いてしまいました。学生選手権でも輪ゴムを用意し忘 れ、パシらせてしまいました。そしてゴール後、トランジのルール違反で DSQ を宣告され た自分。それでもあなたは、よおやったと称えてくれました。本当にうれしかったです。あ りがとう。どちらの大会後も、僕を東広島で降ろして、2時間半かけて香川に帰り、そこか ら徹夜で仕事をしたあなたは一番の鉄人です。

そして母へ

大会が近いとき、いいことがあったとき、不安で相談したいとき、すべてにおいて一番に伝 えたくなる、そして電話しているのはあなたです。カーフマンチャンピオンシップへの出場 では一人でいわき市に行くことが決まった日からは毎日のように、何もないときでさえ電 話してたね。たくさん電話してきたけど、僕は学生選手権への出場が決まったときの内容は 今でも鮮明に覚えています。僕以上に喜んでくれるあなた、誰よりも僕を評価してくれるあ なた、でも、父親しか来ないと知ったとき、じゃあもう一生観に来んやん、と言ってしまい ました。あなたの予定や体調を何も考えずについつい言ってしまったけど、僕は誰よりもあ なたに頑張る姿を見せたかったです。電話後、すごく心が痛かったです。本当にごめん。幹 部交代前に台風の影響で 2 レースエントリー代を損してしまい、幹部が始まってからは、 カーフマン九州、東海、近畿、学生選手権、チャンピオンシップ、100 キロマラソン、トレ イルラン、認定記録会、デュアスロン広島と 9 回エントリー代あるいは、交通費でお金を財 布から出してきました。誰よりもレースに出てきました。なのに、バイト代は月 2~3万。 それでもあなたは、「自分がやりたいと思ったならやんなよ。」と僕を否定したことは一度も ありませんでした。部屋の掃除をサボる僕や、足先の傷や落車のけがの処置をしない僕には しつこく怒るけど、少しでも稼がないとと、バイトを頑張ろうとする僕には決まって「あん たは教員になるんやろ、やりたいことは今のうちしかできんで。」と気遣いをしてくれます。 僕が開き直って「うちん家って金持ちやんなっ。」「何よんなっ。」ってやりとりも何回もし たね。両親の支えに罪悪感を覚え、トライアスロンを頑張らなくちゃと気負う時もあるけど、 二人とも楽しむ程度でええんやぞと言ってくれます。なんでそんなに優しいのか、僕には都 合が良過ぎます。両親どちらも大切だけど、僕はやっぱり母親にトライアスロンのインカレ で戦う姿を見せたいです。それだけが今この瞬間からインカレまでのモチベーションの全 てです。そのために今は自分を変えることに必死です。なんか無理している日もあります。 でも頑張り続けます。だからインカレは観に来て下さい。仮に僕が予選で敗退しても、何事 もなかったかのようにいつも通りでいてください。僕は母親が大好きです。ありがとう。

山田敦大より