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思ひ出


コロナウイルス。昨年、私たちを襲った見えない恐怖は今でも猛威を振るっています。旅人を乗せるはずの列車には席が空き、時は流れているのか止まっているのか。私たちは過ぎ去りし日に別れを告げ、残された明日へ向かい一歩ずつ歩まなくてはなりません。しかし、いつしかこの苦しみも思い出となる日が来るのでしょう。思い出は時空を超えて後世に伝わっていきます。今を生きる私たちは、思い出を紡ぎ、自分の感じた感動を、恐怖を、驚きを新たな世代へ残す義務があるのではないでしょうか。


どうも、夢はサラリーマン川柳大賞、尊敬する詩人はオーキド博士、天津は向より木村派の詩人 雅尾紅葉と申します。時の流れは早いもので私がこの広島大学という学び舎に入り、そして体育会トライアスロン部Gullsに入部して4年という月日が経とうとしています。学部生時代を終えるというこの大きな節目に、私は過ぎ去りし思い出たちに鎮魂歌をささげ、明日を生きる後輩の糧となってほしいと感じています。それでは、詠います。



壱.「出発だ 5分もたたずに こけちゃった」

 これは始めてロードバイクで外にでた思い出を詠いました。当時主将であった27小川さんに連れられ、29丸田と財前のコースを逆走しようとしたとき最初の二段坂で恐怖に襲われ、腕に力が入り一瞬で落車してしまいました。これにより私と後ろの丸田にはバイクの恐怖が植えつけられ、4年間残り続けました。しかし、この落車後、心のリハビリに付き合ってくださった小川さんには感謝しかありません。おかげさまでそれなりに乗れるようになりました。みなさんも事故だけには十分気を付けてください。



弐.「東京で メイド喫茶に 踏み出せず」

 これは筑波合宿に参加させてもらった後日、東京に観光に行った時のことを詠いました。29竹村、橋本、30斎藤、中山と5人でメイド喫茶に乗り込む予定(魔法でオムライスがおいしくなるのか検証するという真面目な理由)だったのですが、いざ目の前にすると勇気が出ず、断念せざるを得ませんでした。今思うと後悔しかありません。私は行動を起こさなかったという後悔はもっともしてはいけないものだと思っています。みなさんは時には勇気を出し、行動に移してほしいと思っています。



参.「バスタブに 4人で入って ぎゅうぎゅうだ」

 これは2年生のカーフマン東海前夜、27坂本さん、29竹村、熱盛の4人で1~2人用の風呂に無理やり入った時の詩です。傍から見たら地獄絵図でしたがあの窮屈さとぎりぎり4人入った時の感動は忘れられません。その日は定食屋で30田邊が自信満々に店のトイレの故障を直したことをわざわざ報告しに来たりと、楽しい日でした。遠征は試合は真剣勝負で、成長できる場ですが、その他に楽しいことがたくさん起こります。是非ともみなさんには積極的に遠征に行って楽しい思い出を作ってきてほしいと思います。



肆.「高かった ホイールの命 あっちゅうま」

 これは3年生のときのインカレの時のことを詠いました。頑張って貯めた25万円で良いホイールを買ったのですが、バイクの集団落車により前輪が割れてしまいました。約1か月のはかない命でしたがなんとか最後まで走り切れ、完走できたので決して無駄な買い物ではなかったと言い聞かせています。よく言われることですが何かを得るためには、何かを捨てなくてはなりません。みなさんも何かを成し遂げようとするときはしっかりと覚悟を決めて挑戦するようにしてください。



伍.「スタンプと ショートカットの 戦いだ」

 これはつい先日29橋本と高知の藤井と行った四国一周の一場面を詩にしました。初日に道の駅のスタンプをどうしても集めたいスタンプ大臣・橋本聡と、この先きつくなることを見越しショートカットの道を進めるショートカット大臣・藤井高広により謎にピリつくというよくわからない状況になりました。結果その日、ショートカットはなかったのですが、日がたつにつれ、スタンプを集めつつショートカットできるところはするという協定が結ばれていきました。みなさんもこれから互いに衝突し合うこともあると思いますが、充分に話し合い、解決策を見つけ、より強い絆を築いていってください。



これらの他にも私は4年間多くの人たちとたくさんの思い出を紡いできました。それぞれの思い出にそれぞれの詩があり、そしてそれぞれの意味があります。私はあと2年間大学に残ります。みなさん、これからも共にたくさんの思い出、紡いでいきましょう。

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