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春、卒業、タンドール(30益田)

「大学入ったらサークルでゆるく体動かしときたいなあ」

この母への宣言通り幾つかのサークルを見学した僕は、何故か総合科学部棟の奥に行きました。何かの授業後でした。どうやって練習場所、時間を知ったのかは覚えてません。その日連れて行ってもらったタンドールで「入りたいです」と言いました。


何度かのジョグ、初めての仁賀ダムTT、スイム練習を経て気づきました。あれ、向いてないんじゃない? 3種目どれをとっても練習についていけませんでした。伸びはしてもそれ以上に周りも伸びる。差が埋まらないままでした。でも別に悔しくはない。当時唯一楽しかったバイク以外に自主練なんてしていなかったので今思えば当たり前です。そのうち留学が迫り

「引退したらトライアスロン楽しむくらいでいいなあ。」と言い始めました。


この「楽しみたい」の「楽しむ」。聞こえはいいですが、逃げです。当時の自分に聞こえるようにもう一回言いましょう。逃げ!!「楽しむ=そんなに自主練習は頑張らなくても良い」に都合よく変換していたのです。レースを楽しみたいんだからそんなにガチじゃなくても良いんだな、留学もあるしな。そんな「逃げ」で部活をしていて、結局レースでは体もメンタルもできていないままなのでしんどいだけ、楽しめるはずないです。


「本当に楽しむためには、強さが要る」

ハイキューの漫画の中のセリフです。たしか。ハイキューは見たことありません。なにかでこのセリフだけ見ました。

このセリフに激しく叱られた気分になりました。強いからこそ、レースでレースを楽しむことができます。僕が勘違いしていた「楽しむ」ための練習では楽しむことはできなかったのです。


結局思ったレベルまでは速くも強くもなれませんでしたが、インカレ、第1パックでのバイク練、確かに楽しいものでした。きついけど楽しい。きついだけだった1,2年にはそれはありませんでした。やっとちょっとは楽しめるようになったと思ったらコロナ。インカレ以外にも、ローカルレースにも出てきついながらも楽しんでみたかったなあ。


「ガチ ⇔ 楽しむ」ではなく「ガチ と 楽しむ は共存するんだ」っていうのをもっと早く気づきたかった、唯一の心残りです。


これを書いてる今はおそらく最後になる部活(黒瀬スイム)の前日です。結局好きにはなれなかったスイム練がラストというのがなんとも皮肉ですが、やっぱり悲しいもんです。

そんな大学生活のほとんどを占めたトライアスロン。「最高にコスパが悪くて最高にコスパの良い」 スポーツだと思っています。すぐに効果は出ないけど、考えてちゃんと積んでさえいればいつか伸びてくれます。


自分自身との対話が多いスポーツですが、周囲への感謝も立ち止まってしてみましょう。家族、マネージャーさん方、友人が、頑張らなくても良いから怪我のないようにと応援してくれています。

ゆるゆるサークル運動宣言に逆行してギリギリまで部活勢になってしまった4年。明日はいつも通りに、しんどい気持ちでスイム練しようと思います。

今日のお昼はタンドールに行きました。見学後に連れて行ってもらったのとは違う席でした。

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