燃えている限り青春
昨年からJリーグを見るようになった。
応援するのはもちろん九州の誇り、大分トリニータ。
J1昇格を懸ける今季、週末の試合の勝敗で一喜一憂するのが今の楽しみだ。
地元の期待を背負い、それに応えるため戦う選手の姿は見ていて熱くなる。
どこの地域でも、どこのクラブでも、競技が違っても、それは同じだと思う。
選手である限り、応援してもらえる限り、できる限りの力を尽くして応えたい。
広島大学トライアスロン部Gullsの誇りと呼ばれるようにありたい。
29の橋本です。
前回の卒業(進学)ブログから2か月と少し経った。
毎日研究室に通い、夜に、土日にひっそりと練習をする。
同期や何人かの後輩が居なくなってしまったこと以外はほとんど変化がない。
前回のブログ(2023.03.18)で2023夏の目標を2つ掲げた。
① インカレ予選のスタートラインに立つこと
② IRONMANを完走し、「鉄人になる」を達成すること
公言通り6/4に尾道因島で行われたインカレ予選に出場したので報告をします。
トライアスロンは2020チームTT(2020.10.31)以来、
ODについては2019の河津フラワートライアスロン(2019.11.10)以来だった。
何度かレースにはエントリーをしてきたが、
大会中止や延期、私事のために出場は叶わなかった。
レースに出るという当たり前が、もう自分には当たり前でない。
年に何度もエントリーしていた自分にはかなり酷だった。
3月のブログに目標として書くことで、
読んでくださる方と、応援してくださる方と約束をしたつもりでいた。
そして約束を果たすために、少しずつ準備をした。
4月後半からは食事量を落とし減量。
5月の気温差の激しい西条での生活に未だ馴れず、
風邪薬やら睡眠改善薬やらほぼ毎日何かしらの薬を飲んで無理矢理に調子を保たせた。
下手なコンディショニングで最低限をキープした。
レースを終えて、こうやって報告できることを素直に喜びたいと思う。
以下、簡単なレースの振り返り。
Swim 27:56 (64位)
Bike 1:11:32 (50位)
Split 1:39:28 (55位)
Run 44:41 (45位)
総合 2:24:09 (49位/80)
中四国 11位/17 インカレ枠10に対し11番目
Swim 27:56 (64位)
500m×3周回。潮流などの安全面より35分の制限が設けられた。4日前の泳ぎがあまりにもひどかったため最初にして最大の不安となっていた。スタートはほぼ最後方から。スタートで猛ダッシュしたら、4日前のように窒息しかねないので、慎重にレースを始めた。1周目の上陸時にタイムを確認しようとするもうまくできず、投げやりな気持ちで2周目に入る。03藤崎の紫ラインのウエットを確認し、入水で一気に距離を詰める。キックは激しく打たず、プルは力みすぎず、ブイが近づくのを待つように淡々と泳ぎ続ける。3周目の入水時に片足を攣るも治まるまでプルと片足でやり過ごす。スイムアップで改めて時計を見たら26分台だったため一人で驚愕し、自信がわいた。まだ戦える。トランジでまた藤崎に並び、「ここからだぞ!」と伝えた。ウエットを脱ぐのにもたついた。
Bike 1:11:32 (50位)
5km×8周回。飛び乗りに失敗する。下手なくせに練習をしないから。10数秒のロス。1周目は前の選手とのおよその距離感を確かめる。半周で藤崎を捕らえ、その前の浜野を目指す。4周目までは距離を縮めた感じがあったが、再度引き離されてしまった。終始、前後に選手が少なく、一人でのペースキープを心掛ける。途中すれ違うGullsの選手には時々声をかけた。03前川主将には特に声をかけていた気がする。25kmでアミノバイタル(赤)、30kmでMag-onを摂る。Mag-onは切り口を口で裂いた際に1/3を損失、右手右膝にかかりべたつくため、水をかけて洗う。スポドリも混ぜていたので結局べたつく。Stravaでは平均35.6km/hでBikeを終えた。ロングに向けた時間をこなすトレーニングばかりしていたことを考えれば大健闘の結果だった。降車時は飛び降りしようとするも足を攣りそうだったので両足をついてゆっくり降車。
Run 44:41 (45位)
3.3km×3周回、1周およそ60mの獲得標高。靴下を履こうとするも力が入らず時間をロス。慌てても仕方ないので一息入れる。シューズはasicsのメタスピードスカイ。5月下旬に急遽購入し、jogでもなんでもやたらと履いて足に馴染ませた。トランジエリアを出た際に立命館の古郷監督に中四国12番目であることを教えていただく。前日に30中山に案内してもらったコースを復習するように1周目を走る。誰がどこで応援してくれているかを確認し、各ポイントを通過することを残り2周回の目標にした。2周目折り返し後に03浜野との距離が近づいていることを確認する。下りの先で同期や先輩方が大盛り上がりしているので、全力でポーズをして見せる。他大の方でも、スタッフ・ボランティアの方でも自分に声をかけてくださっていると分かったときにはできるだけ返事を返した。3周目に入って03浜野を抜いた。その先に失速した03樋口が見える、ずっと前にいたはずだ。自分と樋口との間、そこが中四国代表のボーダーだった。「うまくやれよ!」という藤井の声を聞きながら3周目最初の上りに入る。ただ足が残っていなかった。足の筋肉が分離しそうな感覚と走った。久しぶりの感覚だった。これ以上詰められる気がしなかった。折り返し付近のすれ違いで「俺に絶対に抜かれるなよ!」と樋口に叫ぶ。昨年のインカレを戦った幹部がここでぽっと出の自分なんかに抜かれるわけにはいかないだろう。最終周にあらゆることを考えた。最終的には差を少し開かれての決着となった。これが想いの差、ガッツの差、自分の前に立ち塞がり続ける壁だった。前日の試走で50分で走れたら万々歳かと思っていただけにタイムは嬉しい。しかし、インカレ枠の獲得は今の自分には求めすぎだった。しかし、過去一番にインカレ出場に近づいた。夢は見れたし、夢を見てもらえたのかもしれない。
Finishの見える最後の直線。
最初から最後まで足を止めずに辿り着いた。
1303日ぶりに、やっとこのFinishに辿り着いた。
インカレ枠を逃したのにあんなに吼える奴は自分くらいだっただろう。
LINEをくれた29雅人も、前日に国体枠をとった01玉麻も、今回優勝した中山も
「最後まで何が起こるかわからないから」「チャンスはある」
と口をそろえたように言ってくれた。
結果はBシードの中山を除くと、インカレ枠9に対し10番目。
ボーダー直下。非常に自分らしい、橋本らしい結果だった。
「らしいな」と藤井か誰かにも言われた。その通りで返す言葉もない。
2時間前にスタートしていた東海・北陸、九州・沖縄と合わせた男子全体では76位/147人の記録。
公式記録では風速に変わりはあったが、記録としては良くも悪くもない。
近畿ブロックはレベルがかなり高いが、中四国もそのレベルを目指さないといけない。
2017年に入学してから2019年での幹部、この前後で切磋琢磨した同期や先輩、後輩がたくさん応援に来てくれた。
(写真は左から29丸田、みきてぃ、かつひな、高知の藤井、27坂本さん、28山田和さん、01玉麻、松浦さん (ほかにも28山本ベリーさん、30尭、稜志、めいちゃん、あやみちゃん、01小松が応援に駆けつけてくれた))
「サトシが出るから」と言ってくれる人もいた。
この復帰レースは記録よりも記憶に残るにレースにしたいと、前日の夜に考えた。
だから意地でも完走、絶対に完走を誓って、このレースに臨んだ。
レース前には自分の頼みで円陣もしてもらった。
かなり弱気になっていたため、ここで気持ちを切り替えられた。
期待する結果に応えられたかはわからないが、出せる力で戦う姿を見てもらえたと思う。
これは悔しくも嬉しい。心からの感謝をします。
応援してもらえることは決して当たり前ではない。
「お手数ですが来年も応援に来てください。」と頭を下げた。
よろしくお願いいたします。
一緒に競った後輩たち、サポートの方、入ったばかりの新入生には、
長く続けてきたなりの戦い方と、その姿を示すことができていれば嬉しい。
02以降の学年には自分がレースしているところをほとんど見せたことがないと思う。
みんなのように煌びやかな成績も生活もないけど長く続けることは悪くない。
来月で26歳になる。
「40歳くらいまでは常にピークであり続けたい」。
できれば年を言い訳にしたくない。
できればTTをするならベストを出したい。
できれば相手が19歳でも20歳でも負けたくない。
しかし学生での競技7年目となると自分の中で変化を感じざるを得ない。
特に3年目の幹部の時と心の持ちようも意気込みも全く違うものになった。
何より勢いが全く違う。
幹部までの3年間でインカレ出場まで勢いで上り詰める。
短距離のような瞬発力で押し通せるような気がしていた。今はない。
今は長距離のように息を続ける、積み上げる戦い方、感覚でいる。
大学院での研究を始めて、毎日微量を積み重ねるような生活の中での気付きだった。
一度積み上げた山をもう一度築き上げる。時間をかけてやる。
戦い方を変えても、気持ちは変わらずに残っているのが不思議だ。
これはインカレに対する執着心、
かつて5枠を争そおうとした一人としてのプライドだろう。
2019年8月に書いたブログ「“立ち上がる”」を読み返した。
今の姿は4年前のインカレ予選に敗けた後に思い描いた理想の姿だ。
インカレに出られていないという重要な一点を除いて。
5月のはじめ、Jリーグ・ブラウブリッツ秋田の吉田監督が
以下のようなコメントをしていた。
“ サッカーに年齢は関係ありません。燃えている限り青春。 ”
この言葉は自分が思い描く理想が端的に表現されたものだった。
一生使わせてもらうだろう。
燃えている限り青春。
自分は多くの大学生が体験するような恋愛や遊びの大部分と無縁であったが、
今なお競技への火が消えず、そしてたくさんの人に応援していただける。
自分は青春の真っただ中にいると強く感じる。
インカレ予選出場を通して自分が求めていたのは「悔しさ」だった。
2019年インカレ予選で27小川さんが感じた悔しさに近いものが、
自分のリスタートに必要だと思っていた。
得られたのは「悔しさ」と「希望」。
もっとやれる、まだまだこんなものではない。来年こそは。
「期待してください」と胸を張れるように、毎日の少しを積み上げていきたい。
こんなこと書いて、諦めてしまうのではないかと不安な点もあり続ける。
そういう点では変わらず自信がない。
だから、この場やSNSで、定期的に息が続いていることを報告していきたい。
出てこないようであれば、息ができているかをお手数ながら確かめていただきたい。
自分一人では決して戦える気がしない。
誰もが真似できないこと、自分だけにしかできないこと。
それをなんとしてでも成し遂げる。
伸ばしに伸ばし続けてた学生の期限を最後まで伸ばした。
できるだけ理想を果たすべく、実直に、正直に頑張る。
できることなら、上手に、頑張る。
博士学生でのインカレ出場を夢で終わらせない。
現役Gullsへのお願い。
新歓ブログリレー以降、ブログ更新が止まっているようだが、
インカレ予選を機に各部員、想いを文字にしてここに残してほしい。
応援してくださっている方、気にかけてくださってる方はたくさんいる。
繋がる機会がないだけに、知らないままでいるのかもしれない。
SNSでもブログでも、チームの、個人の活動を報告することは、
支えられてもらっている上で果たすべきことだと思う。
長くても短くても、なんでもいいから、自分の言葉で書き残しておいてほしいなと思う。
それが回り回って、後に続く人のためにも、将来の自分のためにもなるから。
選手の方も、サポートの方も、現地でレースを見て感じたことを、
それぞれの視点で感じたことを表現して伝えてほしい。
タームの境目でテストが多いようだけど、できれば熱の冷める前に、
短くても、思いの切れ端だけでも書き残しておいてほしい。
積み重ねた思いの蓄積が、これからのGullsが高みを目指し続けるための土台となる。
インカレ予選が終わった。
何度も何度も繰り返すように言い、繰り返すように書くが、
インカレにはチーム全体で向かうべきだと思っている。
これからも何度も言い続けるだろう。
枠を勝ち取った選手は、自分が出ることをチームが誇ってくれるように。
枠を勝ち取れなかった選手は、自分が出たほうがいいと思わせるくらいに。
自信がなくても、競技力がまだまだ発展途中でも、声を出して、歯を食いしばって、強い気持ちで、上位に挑み続ける姿勢を持って。
昨年の夏(2022.08.01「声を出そう!!」)にも書いたが、
もっともっと声を出してみてもいいと思う。
声を出すことを恐れるな。もっと盛り上げようよ、絶対楽しくなるから。
最後に。
西日本インカレを広島県の尾道市因島で開催していただいたこと。
見えるところで、見えないところで、たくさんの方が運営やボランティアとして携わり、思う存分にこのレース会場で戦わせてもらえたこと。
一緒に競えたGullsの後輩たち、他大学の選手たち、
朝早くから夜遅くまでサポートに徹してくださった方々、
遠くから応援に駆けつけてくださった方々、メッセージをくださった方々、
何十人、何百人もの支えがあってトライアスロンのレースに戻ってくることができました。
本当にありがとうございました。
また来年、このレース会場で会えることを楽しみにしています。
6.15から尾道因島大会初代王者の30中山くんとIRONMAN Cairnsに行ってきます。
2023夏の目標
② IRONMANを完走し、「鉄人になる」を達成すること
レースは6.18。
果たして夢のIRONMANの称号を手にすることができるのか。
また書きます。
今度はIRONMAN橋本として。
おわり。
2023.06.06 29 橋本サトシ
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