長良川の激闘2024
長良川は僕にとっていろんな思い出がある場所だった.
今まで長良川に行った回数は今回を合わせ4回.月1回読むことだけを楽しみに受験期を乗り越えた「僕らはみんな河合荘」の聖地(にゃがらがわ)であったため,レースで初めて長良川に行ったときは聖地巡礼や,とかなり興奮した(カーフマン東海2022は足を攣ってRapされたが…).
2回目に行ったのは長良川ミドル2022.29のお二人と僕の3人での遠征だった.レース結果は大きなトラブルもなく(小さいのは無数),暑かったがそれなりに走ることができ,総合68位と初めてのレースでの成功体験を味わった.ODよりも先にミドルを完走した.遠征中は何度もトラブるを起こしてしまったが,お二人の圧倒的お兄さん感に何度も救われ,こんな先輩になりたいと強く思った.僕のゴールまで30分以上もわざわざ待って下さり,同伴ゴールをしてくれた光景は今の僕を作っていると言っても過言ではない.竹村さんがやよい軒で作っていた大量の出汁でご飯を水浸しにした「長良川濁流米」には竹村さんの長良川に賭ける熱い思いをひしひしと感じた(本人は至って苦しそうに食べていた).
3回目に行ったのはインカレ予選2022.猛暑と予報された天気は大雨(一説によればGullsのスーパー雨男が二人も集まったからだとかなんとか).ダムの放流により練習に力を入れていたスイムがなくなり,5-10?-2.5の地獄のような距離のデュアスロンになった.アップ後体を冷やしてしまい,1年間頑張ってきた予選を突破することはできなかった.当時の僕にとってはマイナス,プラス,大マイナスだったが,今の僕にとってはすべてが特大のプラスである.
そんな長良川のトライアスロンに,今年2024年も出場してきました.
距離はミドル,僕の一番好きな形式でのレースで,参加者は奥田,玄武,創意,彩乃ちゃんとバイクがやたらと強い(加えてランでやたらと垂れない)ひとたちとの遠征でした.今回,今後ミドルに興味があったり,上を目指す後輩に向けて,トレーニング内容や戦略も含め書いていこうと思います.毎回のごとく長くなりますが(7000字も書いてしまいました…),お付き合いください(笑).
レースまで
スイムはほぼインカレに合わせて練習した.基本的に80:20の法則に従って練習した.プル中心の低強度とLT2前後のショートインターバル中心の高強度にはっきり分けて練習した(どちらも壁タッチ直後の首元での心拍数,RPEで調節し,心拍140前後の微妙な強度の練習は避けた).高強度は,春先まではLT2以下に収まり意図的にスピードを落とす「回りきる練習」をし,4月からはLT2以上の心拍ぶち上げ練習「きつい中で耐える練習」をした.
バイクはミドルに合わせてベースをメインにした.2,3月にはVT1以下で1600km外乗りしたが,4月にVT1が20w上がったり,LT強度も主観的に上がっていた気がする.
ランは低強度長時間を取り入れ,全体練の閾値走20に対して80になるように組んで練習した(バイクを重視していたので怪我予防のためあまりランに時間を割けず,低強度が少なかったと思う).
実際のレースにぶっつけ本番は怖かったので,一応ミドルに向けたブリックも3週間前に実施.70km+8kmで補給や装備も完全にそろえて行った.いろいろ貴重なデータが手に入ったので,やって正解だった.さすがにピークは予選,インカレに持っていきたいと考えていたので,1週間前から調整開始.疲労を抜くことをメインに練習量を60%に下げ,完休も2日程度取り入れ,強度は落とさないようにした.前日は受付カチコミ,並びにコースの試走と1kmレースペースランで刺激入れ.いつものマックスバリュにて朝食などの買い物を済ませ,いつものやよい軒でご飯を食べ(奥田はご飯を6度お替わりしていた.お替わり有料化の日も近い),いつものルートインで宿泊.入浴も済ませ,2年前の雅人さんの寝息で眠れなかった3人部屋,時代劇を見ながら無理やり就寝した1人部屋を,そして奥田のなかなか当たらない昼食あてクイズに思い出し笑いをしながら11時就寝.
前日受付カチコミの図 (皆アイウェア似合ってるなぁ…)
レース当日
4時半起床.寝起きすっきり.遠征で一番寝れたかもしれないというレベル.安静時心拍数は37,仕上がった.ごはん1合とみそ汁,R-1などいつもの組み合わせでご飯を食べ,準備は完璧.集合には40秒遅刻した.GENVUも一緒のエレベーターに乗っていたのでセーフ.
会場についてからは前日に流れをメモしていたので,みんなと雑談しながら一番にすべてを終わらせた.このとき不意に口をついて出た「長良川,結構パンクする人いるよ」という発言はのちに悲劇を生むことになる.アップはいつも通りランで行った.負担をかけないように芝で,心拍,距離はもいつもの80%くらいで終了した.
川の様子を見ておきたかったので,皆より早めにスイム会場へ.やっぱ皆と一緒に行った方が良かったかと思い振り向いたら迫真の勢いで創意がダッシュしてきた.猪を彷彿とさせるあまりの勢いに笑ってしまった(スイム中もこの光景が浮かび呼吸が苦しくなることになるとは).本人曰く「アップです」と言っていたが,距離が短すぎるし,何より裸足でやるものではない.目測でキロ3:30は出ていたように思う.
気温が低く誰も入水チェックに入らない.僕は5分前に入水し,スカーリングやドリル,ヘッドアップを軽く済ませた.ホットクリームを塗っていたので特に冷たさは気にならなかった.2年前3列目だかに陣取ったときはバトルに巻き込まれかなり消耗してしまったので先頭に位置取り,後ろから「接触せずに」うまく抜いてくれるスイマーに着く作戦.
目標は年代別1位と4時間半切,そしてサブ目標は哲平さん,雅人さんの記録超え.
On your Marks Puuuuun 遂に始まった.自分の実力がどこまで通じるかわくわくした.
スイム 0:34:53 (1:38/100m 163bpm)7/336位
スイムはちょくちょく練習してきたギャロップ泳法(?)で節約しつつ泳ぐ作戦.
スイムスタート.スイムですべきなのは創意や奥田をはじめとするバイカーとの差をできるだけスイムで広げること.スタートと同時に勢いよく抜け出しに成功したが右のおじ様が良く当たってくる.同速度だったが,お相手が明らかに消耗するような泳ぎ方だったので後ろに着いかせてもらった.気づけば抜いていた.その後は冬練で培ったRPE16あたりの「残す」泳ぎ方で前の人を回収しながら泳いだ.ピッチを上げて泳ぐ練習をしていたのでうまく後ろにつくことはできたが,流れがありかなり蛇行した.2周目からは前に2,3人しかいなくなりほぼ単泳に.折り返し前に1:40切くらいで泳いでいるHUUBのおじ様の後ろに気づかれないようにつかせていただき,スイムアップ.ガーミンの平均ペースが1:38で出ていたので,外さなかったことが自信になった.ヘッドアップの技術がまだまだ未熟だった.四回に一回では足りなかった.ガーミンの距離は2130m.玄武と比べて30m多く泳いでいたので,まだまだ改善点.
当初の目標であった35分はぎりぎり達成.
T1 0:01:26 2位?
OD並みに超走り,2人のおじ様を抜いた.エリアに入ったところで玄武を確認し,追いつこうと頑張った結果,T1は二位だった(一位は玄武.そりゃ速い).
「3番手,2005」というオフィシャルの方のアナウンスで勇気が出た.
バイク 2:23:12 93/336位(平均36.9km/h?,NP194w?,156bpm? 中途半端に止めてなかったのでもうちょいあると思います.)
目標パワーは200w(VT1).安全にバイクパートを終わらせること.
フィッティングには特に時間をかけてやってきた.腹圧をかけてお腹でバイクを踏めるバーの角度,高さ,頭の角度を何度も修正した.腹圧をかけやすくするためエアロブリッジを玉麻さんから買い,ライザーは奥田と交換した50mmを使用(60mmでは高すぎたのでチョイス.40mmでもよかったかもしれない.).補給には,マグオン5個,アミノバイタルゼリー1個を準備.ブリック練でペダリングの邪魔になったので,テープと輪ゴムでトップチューブに良く巻いた.ボトルには水道水とポカリスエットを用意.結局ほぼ水しか使わなかった.
⇩装備はこんな感じ
⇧
バイクパート開始直後は雨が降ってきた.最初は玄武を300m先位に捉えていたがすぐに見えなくなった.手元のサイコンの距離はこの時で200wと40km/hを超えていたので,無理して追わないことにした.バイク中の体の冷えを見越して塗りたくったあべこべクリームがいい仕事をしてくれた.開始直後は本当に人がおらず新鮮だった.1周目は2人に抜かれ終了.2周目から人が増えてきたが難なくクリア.2年前のように競技中にバーを動かすという暴挙に出ることはなく,TT選手をかなり抜くことができるようになっており,楽しかった.余裕はあったので前の玄武,後ろの創意,奥田,山中君との差をしっかり確認しながらレースをした.3周目,ついに40キロ行こうかというところで輪ゴムが切れるような音がした.ぷつ,ぷつ,とホイールが回るタイミングに合わせて鳴っているような…?何か雑草でも嚙んだのだろうと思っていたが,奥の折り返しを過ぎた時,ついに段差でないところでホイールががたつくようになり,リアを見るとタイヤがつぶれていた.誠に萎えた.レース中のパンクは初で,このまま行こうか一瞬迷ったがホイールを痛める訳にもいかず,手前の折り返しまでは慎重に漕いだ(少し振れてしまった.良くなかった.).TOの方に言ってトランジエリアに入らせてもらうも,チューブを車内に忘れていた.DNFの4文字が浮かんだがボランティア?の方にメカニックさんいるよ!と教えてもらい,メカニックさんにお世話になった.小石が刺さっていたとのことだった.(その節は本当にありがとうございました.)10分程度ロスしてコース復帰.途中奥田と創意が折り返すのが見え,応援した.2人とも特に反応はなかった.嗚呼,スイムのアドバンテージ終了のお知らせ.と思いながら競技復帰.復帰後は年代別1位はあきらめムードだったが,「これで年代2位とか獲ったらすごくね?」と思い,というか競技を続けられることが嬉しすぎて,30wほど頑張ってしまった.4周目終了時で玄武との差はほぼ1周,創意や奥田との差は計算で6分から縮まらず,ランで勝負するか…とランで走れる(であろう)ギリギリの強度で漕いだ(一応Zone2の上限くらいをイメージ).最後の1周は人の多さのわりに道が狭く思うようにTT集団を抜かせなかったのが残念だった.また,運動を中止した関係もあり,マグオンは2個食べなかった.パワー,フォームはは想定通りうまくいった.メンタルの立て直し方もいい経験になった.ちなみに玄武,奥田,創意の平均速度がそれぞれ38,37,37で,順位が18,23.21だった.どういうことやねん.GullsのバイカーはTTバイカーよりも速いようである.まだまだエアロやフォームの面で勝っていたとしても,絶対的なパワーで劣っているので要改善.
T2 0:01:21 1位
1秒を削り出す動きをした.血走った目はさながら電車でトイレを我慢するサラリーマンだったかもしれない.結果的にT1はなぜか1位だった.玄武が悔しがっていた.どこで競ってんねん.ミドルなのに.
ラン 1:24:42 (4:13/km,172bpm)12/336位
目標は4:10/km.ハーフマラソンを走った時のように,うまく言えないが,「うまく残す」ペース.フォームがぎりぎり意識でき,閾値走よりもやや遅いペースで砂を走っているときのような感覚で.ガーミンのペースは見ないようにして走った.補給については直前に飲むと腹痛が出たのでバイク中に終わらせて,1時間経過後にモルテンを飲む作戦.ブリック練でインソールなしでメタスピードを履いて盛大に靴擦れしたので,いつも使っているCustomBalanceのインソールを使用した.おかげで最後まで靴擦れしなかった.
結果的にこれらが上手くハマった.入りは3:50だった.アレ,僕キロ4で走れちゃうのか?と思ったが次第に垂れた(そりゃそうや).しかしすぐに内臓が揺れてお腹が痛くなってしまった.ガーミンの平均上下動はいつものペース走と変わらなかったのに.そのうち治ったが要改善.補給があってないのか内臓を揺らしすぎなのか.ランは4kmを5周するコース.1周目,1kmくらいの地点で玄武とすれ違った.顔は元気でキロ4くらいで走っていてびっくりした.その後は1200m地点で創意,奥田とすれ違い,1km以上差があることに絶望しかけたが,年代別2位へのこだわりが捨てきれなかったので,ぱっと見の2人のペースから自分のペース(キロ4)でいつ追いつけるか計算した.往路は無風(追い風?)で,復路は超向かい風というコンディション.バイクと同じで往路はいつも通りストライドを意識,復路はピッチを速くして走った.曇りだったものの気温が上がり,エイドのコップは毎回2個取った.右手でとったものは背中にかけ,左手に取ったものは飲み口を潰してごくリんちょ.どのエイドも歩くことはなく,胸に詰め込んだ補給のごみをついでに捨てさせて頂いた.2周目,奥田とは600m,創意とは1kmほどの差になっていた.1周200m追いついた.じゃあ最終周で追いつける,と考えた(今計算した所実際には200m追いつけません.頭がやられていました.).フロントジップのトライスーツを使っていたため,心拍計の下くらいまでチャックを下げ,海外のアイアンマン選手スタイルで走った.確かに涼しい.が,走力が完全に伴っておらずただのコスプレだったと思う(テンションは上がった).さらに3周目にはTOの方にチャックを上げるようジェスチャーされ,泣く泣くチャックを上げた(見苦しいことをしてしまいゴメンナサイ).3周目の奥で奥田に追いつき,抜かすことができた.あと1周に差し掛かったところで,後ろから話しかけられた.「今ペースは?」後ろに着こうとしてる方かな?「4分5秒です」「OK,後ろついて.運ぶ.」
えっ?
ラッキーだった.ペーシングが非常に上手な方だった.50から始まるナンバーのメタスピードの方,名前もお聞きできませんでしたが本当にありがとうございました.
奥の折り返しでついに創意に追いついた.○゛。○゜が出そうで(すいません)応援できなかったのが心残りである.抜かした後はあと600mくらいになり,恩人に「行ってきます!」と感謝と別れを告げ,スパートをかけてゴールした.ゴール後は年代別1位の玄武と讃えあった.垂れましたと言っていたが結局キロ4:16で走りきったらしい.あのバイクの後でそんなに走れることに競技力の壁を感じた.速すぎるわい~
心拍数は170超えくらいで声を出す余裕があるほど落ち着いていたが,体の限界が先に来てしまい,足がやや前に出なくなったので改善したい.また,12~18kmの垂れ方がひどかった(4キロで-30秒くらい)のでこれも要改善.
総括 4:25:34 総合20/336位 年代別2位
4時間半切り達成!&雅人さん,テッペルさん超え達成!!
年代別1位はお預けですが,これらの目標を達成できてひとまず満足しています.周回記録が公開され,パンクの分のロスタイムはおよそ7分だと分かりました.が,僕の記録4:25:34から7分を引いても4:18:34.総合で12,3位くらいといったところだし,年代別1位には届かなかったです.スイムランで勝負して,バイクではぎりぎりで耐えるという目標は達成しましたが,バイクが全然でした.玄武や奥田,創意くらいのバイク力をつけて,250wくらいで踏み続けられるようにならないと,200wで踏めたところで上位には食い込めない...なのでまずはバイクから頑張りたいです.そしてスイムも先頭で上がれるほどにしておくべきだし,ランでもキロ4を切って走れるようになっておくべきです.べきべき言いましたが,したい,なりたいの方が大きいのでこの気持ちを大事に,ぼちぼち頑張っていきたいです.
今回のレースを通して多くの課題が明確になりました.やっぱりレースは最高ですね!ミドルがいちばんたのち~.そして目標ができてしまいました.いつか長良川で4時間を切りたい,そして1位を獲りたいです.いつかいつかにならないように,今日あたりから見据えてやっていこうかなと思います.
メンバー的にもとても楽しい遠征でした.前日2時に寝て起きてきた玄武君(すごいな!?),ZERODの日焼けが痛そうな彩乃ちゃん(なんでフチだけ焼けたん⁇),帰りのはま寿司でパイナップルを驚異の6個連続で注文した山本君(店員さんもびっくりだ!!),ある方のモノマネに5時間程度笑い続けた奥田君(会ったことないやろ!!),
トライスーツは皆バラバラでしたが(仲悪いんか‼),ODより長い距離が好きな同志たちとの遠征はとっても楽しかったです.心残りはホテルでトランプができなかったことですね…またこのメンバーで遠征行きたいです.
結論
GullsのバイカーはTTを超える
みんなもバイク頑張ろうね♡
次はインカレ予選とバラモンキングになります.
ではまた!👋
⇧本遠征を通していじられることになった創意君のダブルピース
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