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駆けるカモメとボールの行方

広島大学東体育館、三枝の高らかな選手宣誓から始まったのは、まふがる・バスケ大会である。1、2、3年生16人による白熱した戦いが繰り広げられた。そんなみんなの活躍をここに記していく。

(筆者による脚色や記憶違いが多く含まれている可能性があるので鵜呑みにしないでください。)


Aチーム

03前川、03三枝、04秋山、04梅崎(マネ)04大西


Bチーム

03廣本、03浜野、04中村、04大和田、02吉村


Cチーム

03岡田、03草野、04山田(マネ)、04小嶋、04岩月


マネさんは得点が2倍になるという特殊ルールをうまく活かせるか。



まず目立ったのは前川選手による華麗なドリブル。球技音痴なガルズたちの間をスイスイと抜け、あっという間にゴール際へ。颯爽と先制得点がゴールへ叩き込まれる。


しかし岩月選手も負けじと猛攻を仕掛け、幾度と反撃を試みる。何人敵が来ようが見事切り抜け、ゴール下の仲間へ的確なパスを送る。


第1試合が終わり、惨敗したCチームが、Aチーム対Bチームの試合を観ている時、体育館の重いドアが開き、後光が差す。「やばいばい。」そう言って現れたのは、ガルズの具志堅用高、副島選手だ。寝坊により遅刻した彼は救世主としてCチームに加わることとなる。



試合は続き、中村選手に注目が集まる。サッカーで鍛えてきた広い視野でいいポジションを見つけ、滑らかなパスワークを披露。敵チームを翻弄する。


ベビーフェイスで立ち塞がるのは三枝選手。確実にディフェンスをし、執拗に攻める。パス、パスカット、ドリブル、軽やかな身のこなしで魅せた。


ボールを待ち構えるのは梅崎選手。多少乱暴な長距離パスもしっかりキャッチ、貪欲にゴールを狙い、かなりの得点をチームへ送る。


ここで浜野選手はボールを操る圧倒的センスと洗練された肉体により高度なプレーを連発。会場は沸き立ち、敵チームは絶望の顔色を催した。


そんな浜野選手の進撃を打ち破ったのは、そう、副島選手だ。彼は浜野選手を暗に膝でアタック。物理的に打ち破ることに成功する。浜野選手、たまらず倒れ、試合は一時中断となる。ちなみにこのパワープレイの様子はしっかりビデオに収められていたとかいないとか。


試合再開、鳴りを潜めていた岡田選手にボールが渡る。そして大事そうに抱え、立ち往生。敵チームを引き寄せてその場にうずくまることとなるが、わずかな隙間を縫ってパスを出し、集まったディフェンスを完全に振った。


必死に繋がれたボールを受け、攻めの姿勢を見せてシュートを決めたのは草野選手。しかし彼はこの日、十数本ほどもシュートを打っておきながらその成功率は10%ほど。脅威のノーコントロールを露呈したのである。


と、ボールを奪い走り出したのは大西選手。コートを縦横無尽に駆け回り、得点を重ねていく。バスケをする様子もかわいいので、疲弊し休憩している観客を癒してくれた。


完全に大西選手がマークされてしまったところでボールを待ち受け、ヒョイと補完するのは秋山選手。彼のシュートはかなりの決定率を誇り、さることながらガッツポーズをすることもなくクールに振る舞う。


そして吉村選手はずば抜けた判断能力を持ち、攻める時は積極的に攻め、危険が迫ればパスを回す、器用に立ち回るオールラウンダー。上級生の余裕と貫禄を見せつけた。


さらにボールはコートを巡り、大和田選手の手に。いつもの最高に輝く笑顔を見せながらフルスピードのドリブル、他を全く寄せつけない速さ。敵チームにはこの笑顔が悪魔のように見えたことだろう。


立ちはだかるは小嶋選手。ガルズ屈指の高身長と長い腕を活かし、ボールを引き寄せ攻撃のチャンスを作る。ゴール下で敵が群がる苦しい場面でも相手に渡すことなくパスを繋いだ。


さあ絶対的エース、山田選手。マークされ、身動きが取れないながらも強気の心でしっかりシュートを決める。彼女はこの日いったいどれほどの得点を叩き出したことだろうか。


山田選手の怒涛の得点に、焦りが募るとともに勝ちへのこだわりと執念を持つあまり、ボールを追って壁に全身で激突した廣本選手。体育館を揺らすほどの衝撃を放ち、みんなちょっと焦った。



全ての試合は終わり、整列する3チーム。藤﨑による順位発表が行われた。


1位 Aチーム

2位 Cチーム

3位 Bチーム


4割の「超上手い人」と、5割の「普通に上手い人」でハイレベルな試合が展開された、ややガルズらしくないバスケ大会はこうして幕を閉じたのであった。

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